森八 久安店

金沢市南部郊外の幹線道路沿いに立地する創業390 年の歴史をもつ和菓子販売の路面店舗である。

1)正面外観
瓦葺の大屋根や板金葺の下屋、木造で木質の外観はスケール間や質感、色調など周辺に対し落ち着いた佇まいをつくっている。前面道路や周囲に対しては華美なロードサインや看板を控え建物と一体化し、また建物配置や庇により駐車車両が極力見えないよう配慮をしている。賑わいを創出できるようインテリアの様子が伺える大型のガラス窓を前面に設け開放性を高めた。

2)斜めの入店動線と2種類の天井高
建物は敷地条件から2 つの矩形が合成された形状で斜め方向から入店する。入口は量感を感じさせる木製化粧天井で高さを抑えた。先には小屋組が現しの高天井と大型開口の明るい空間が垣間見え来店者を奥へ奥へと誘う。

3)店内奥の高天井空間
天井を低く抑えた入口付近と小屋組を現しとした高天井の奥部分を斜めに一体化させ抑揚空間とした。回遊する店内ではゆっくりと買物を楽しむことができる。斜めに嵌入させた左官壁を朱塗とし正面壁として際立たせている。