Works
にぎわい交流施設 ゆのまち加賀
山代・山中・片山津の三つの温泉郷と、現代まで受け継がれてきた加賀文化をつなぐ拠点として、駅高架下に整備した賑わい交流施設である。直径2mの九谷絵付大皿や、過去から現代までの生地を連ねた漆器の壁、地域産業のチェーンを投影するプロジェクションマッピングなど、各工法や素材を活かしながら、過去から未来へと紡がれる伝統を表現した「美術館のような駅前施設」を計画した。
化粧庇などに和のスケール感を取り入れつつ、全体構成はシンプルにまとめ、各展示が主役として映えるよう建築を工芸の背景とした。展示の質感に呼応するブラックステンレス、アルミ、ガラスを主要な仕上材とし、展示を際立たせる上質な内部空間を構成している。
県産材100%の桧や杉が持つ質感・量感・香りが内部空間に豊かさを与え、全体を引き立たせている。天井には40×60mmのルーバーを100mm間隔で並べ、ライン照明とともに方向性を生み出して来訪者を各展示へ導く。さらに、アルミ材を載せた化粧庇を支える桁・梁には加賀市産の桧無垢材を用い、天井とは異なる質感を与えることで、駅前に他にはないきめ細やかな通り空間を形成している。
日本の伝統的な木と工芸の文化を、現代の感性と地元の木でもてなしながら、「今」が未来をつくり、そして未来が伝統を育む拠点――加賀文化の発着駅として位置づけている。
石川県加賀市
構造 : 鉄骨造
規模 : 1階建て
構造 : 鉄骨造
規模 : 1階建て
受賞歴
日本空間デザイン賞2025「Shortlist 入賞」
いしかわの木づかい表彰「入賞」






