Works
キハラ株式会社新社屋
家具用品の製作から紙資料の保存まで幅広い分野で図書館に関わる創業から107年の歴史を持つ会社の建替計画。「日本中の図書館を元気にする」という会社のビジョンのもと、全国の図書館に関わる人と新しい価値を創造すること、社員の生きがいを創出することの二つを目指して「次の100年に繋げるライブラリー・ライブオフィス」を計画した。図書館分野を柱とした事業を100年積重ねてきた会社の建替計画である。
各階で社内コミュニティが分断されていた旧社屋を改善するため、社内ワークショップから始まり社員の働き方改革を実現することとこれから100年の社屋づくりを考えることが出発点となった。
フリーアドレス化により諸室をコンパクトにして共有空間を生み出し、図書館員や図書館設計者、社員といった図書館づくりに関わる人全ての協働の場「ライブラリー・ライブオフィス」をつくった。また、木のもつ本物・本質を活かした活力と安らぎを与える「リビングオフィス」の働く環境を形成した。そして、図書館家具の発想で製作されたオリジナル家具「リブ・ファニチャー」を取入れ、家具と建築が協働するオフィス空間を試みた。
設計時から竣工後まで継続して検討を重ねクライアントと設計者が持つ個性とその掛合せのアップデートを繰返し、会社のビジョンを反映するオフィスの姿を熟成させた。打合・休憩・交流などリアルな繋がりからショールーム・スタジオなどバーチャルな繋がりまで、フレキシブルに人を繋げる共有空間をリブ・ファニチャーで構成した。図書館の情報と人の集中とハブ化によりコミュニケーションを活性化し新しい価値を創造する装置(仕掛)とした。図書館関係の資料やサンプルが集まるKIHARA-Labを隣接させ蓄積・閲覧・発見を共有空間に付加した。
床・壁・天井に図書館家具で使う本物の木の表情と香りにこだわった内装計画。準不燃の木製ルーバーが連続する一体空間を家具間仕切で緩やかに仕切った。1階には来訪者を迎え入れる奥行のあるエントランス空間をつくった。
100年を超える図書館製品の経験を活かした家具。多くの図書館で実績のある仕様を採用し、今回の目的にあわせて自社制作・施工した。SDG’sに繋がるロングライフデザイン・堅牢性・耐久性・安全性・施工性・拡張性に配慮された家具を考案した。
構造 : 鉄骨造
規模 : 5階建て
延床面積 : 1,100㎡
用途 : 事務所