泉の台幼稚舎

泉の台幼稚舎は、「一人ひとりの成長に寄り添う場」、「新しい発見や夢のある場」、「豊かな体験や挑戦ができる場」、「子供たちの未来を見つめる場」として、白い屋根と赤いとんがり帽子の園舎に生まれ変わった。

子供たちの記憶に残り、大人になった時に保育園の物語を人に話し、誇りに思えるような外観や空間をどのようにつくるか。これが設計のテーマであった。そこで外観においては、白い瓦屋根に赤い屋根の塔が屹立するファンタスティックな家のイメージを大切にし、外壁は分割された異なる色の面を対比的に見せることにした。瓦屋根にしたいという強い要望に対し、黒瓦を使った大屋根は重い印象になることが懸念され、まず大きな屋根のヴォリュームを分割することを考えた。さらに外壁の色の特徴を生かしながら、空に溶け込む軽快さを演出すために屋根瓦を白にした。

遊び心を詰め込んだ園舎のシンボルとなる場所は「チャレンジタワー」と「不思議なトンネル」である。ここは大屋根の空間の余地を活用した異空間である。塔に昇る螺旋階段とその途中に現れる細長い傾いたスペースは、子供たちが自由な発想で使いこなすことを期待した遊びの空間であり、昇りきった頂部では金沢の景色がパノラマのように見える。