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南砺市立 城端中学校

南砺市立 城端中学校

城端町は冬期の通常積雪が1.5mを越す豪雪地帯であるため、すべての学内施設は通路で結ばれていなければならない。そのうえ、学校の敷地は河岸段丘の稜線部に位置し、前用途が牧場であったことから樹木が少なく、風雪が厳しい環境にある。
このような連結性と防御性を考慮し、中庭のある回廊型のプランを採用した。さらに、中庭型は四辺および四隅において建築が自由な形態をとることが可能であり、適切な配置を選定できる点で有効であった。
例えば、南側の一辺に比較的同質な普通教室を集積させ、他の3辺にはそれ以外の諸室を配置し、四隅部には個性的な特別教室を配置した。また、体育関連施設についてはウイングを延ばし、そこに配した。さらに、それらをつなぐ回廊は、生徒密度の高い普通教室の前でゆとりのあるスペースを加えて拡幅し、四隅部では支点として階段や広がり、閉鎖性を場に応じて設定した。
このように中庭回廊型は、各室や各部の自由な個性を保障しつつ、学校全体を一つのまとまりとして適切な大きさと関係性にまとめ上げるとともに、周辺環境とのさまざまな対話を可能にする役割を果たしている。

富山県南砺市
構造 : 鉄筋コンクリート造
規模 : 地上3階
延床面積 : 9,527㎡
用途 : 中学校
受賞歴

中部建築賞(1986)
富山建築100選(1987)
富山建築賞(1987)

南砺市立 城端中学校
南砺市立 城端中学校
南砺市立 城端中学校
南砺市立 城端中学校
南砺市立 城端中学校