Works
金沢工業高等専門学校
学園の設計は、講義や実験などのカリキュラムを達成させるだけでなく、休み時間や放課後に学生が可能な限りキャンパスに滞在し、交流を深める場を提供することを目的としている。当計画では、そのような場の一つとして、いわゆる学園広場をシンボル的に設置した。この広場は教室群に囲まれた中庭広場であり、夏は日陰を求め、冬は雪を避けられるように屋根を設けている。
また、この広場に隣接する形でL字型校舎の交点に玄関を配置し、登下校時の利用を促進。さらに、各階の廊下を広場に向けて配置することで、動線や視線が自然と集中する設計となっている。その結果、休み時間や朝夕には学生が集まり、朝礼や学園祭ではメイン会場となるなど、活気ある空間が形成されている。デザイン面では、L字型校舎の壁面、合同講義室下のピロティ、ゆるやかな曲線の壁が組み合わさり、変化に富みながらも力強い広場空間を目指した。
外周については、四方を6m幅の道路で囲まれており、2方は住宅地に、他の2方は学園用地に接している。住宅地側では、校舎建築が巨大な壁面として存在しがちで、教室側からも道路や住宅が落ち着きを損ねる場合があるため、外壁の外側に2層分のフレームを付加してスケール感や視線を調整。また、西日による直射光を遮る役割も果たしている。このような設計を「環境緩衝装置」と称しており、本計画の特徴的な広場の大屋根や花ブロックもその一環として位置付けられている。
石川県野々市市
構造 : 鉄筋コンクリート造
規模 : 地上4階
延床面積 : 9,960㎡
用途 : 高等専門学校
構造 : 鉄筋コンクリート造
規模 : 地上4階
延床面積 : 9,960㎡
用途 : 高等専門学校